◇シンデレラと馬車乗り◇

 

 

ご指名を頂けるという事は
この仕事をする人間にとって、この上なく有難く幸せな事だ。

こんなにも多くの人がいる中で選んで下さる。

 

それだけでまず、
感謝すべき大変な頂き物を頂いている。

 

せっかく貴重な時間とお金を使って会ってくださるのだから、
少しでも楽しいひとときだったと感じて帰って頂きたい。

 

なんでも屋さんになりたいと思う。
出来る事なら。

 

あなたが望むであれば、
ソフトSになり
ソフトM男になり
ハードM男にもなるつもりだ。

 

Mが連続してしまったが
(シンデレラ=ガラスのピンヒールを履いた嬢王様)に会いたいという趣旨ではない。

 

セクシュアルなことだけでなく。

 

何か話ししたい事があるなら聞き役になり、
「何か面白い話しして」と言われたら、必死に捻り出したしょーない話しをしてスベり倒したい。

 

現実問題ムリなのだろうが
極論を言うと、ムシャクシャして何かにあたりたい時には、肩かお腹あたりか殴りやすそうな部位を思っきり殴って頂くことでストレス発散してもらってもいいと思っている。

 

とは言えど、実際の可能範囲には
制限がかかってしまうのだろうが。

 

要は、お会いした時にはあなたの望む時間にカスタマイズして頂く立場であり
その時その時最大限にもてる力で期待に応える試みが使命であると、心底感じる。

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あなた様はシンデレラ。

こちらはガラスの靴と白馬の馬車を携え
あなた様を舞踏会へお連れする運転手。

その旅路はでこぼこな道中であり
不安な要素が至るところへ転がっておりますので
お気に召さない時もあるかもしれません。

とにかく、道中お困りの事がございましたら
如何様な事でもお申し付け下さいませ。
その瞬間の最善に尽力致します。
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気づけばこの業界に入り1年程経ったが、
たくさんの不甲斐ない失敗をしたり、成長していないところもあったり、学んだ事もたくさんある。

 

失敗を重ねた今だからこそ
それでもご指名を頂けるときには、こんなにも有難い事なのかと涙が出そうになることもある。

 

主役ではなく運転手としてご指名頂くのだから
ヒロインの旅路を少しでも快適なものにできるよう努める。

短絡的な受け身ではなく、道を示す導き手として。

 

道中を楽しんで頂き、
その楽しい時間を一緒に共有させて頂きたいと
ドライバーはそう強く感じております。